10月はお祭りの季節です

10月は、長崎くんち(九日)、金比羅さんの「おとうか」(十日)、
伊勢神宮の神嘗祭、・・・と秋祭りのシーズンです。
そこで「祭」の漢字について調べてみました:
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祭の字は「肉+又+示」で出来ています。
「又」は人の手、「示」は祭りのお供え物をそなえる祭壇・祭卓です。
祭卓の上に肉をお供えしてお祭りすることを示す会意文字です。

『説文解字』1上では、「祭祀なり」と書いています。
祭は人を祭り、
祀は巳〔みいさん・蛇のこと〕に従って自然神をお祭りするときの字です。
虹や風のなかの虫は蛇です。
虹や風などの自然現象をつかさどる自然神をおまつりするのが
「祀」だそうです。

上図の祭の上から二番目の甲骨文字には、
祭卓の「示」がない字です。

また祭に関連する漢字には、
警察の察、国際の際などがあります。

察は祖先をおまつりする廟〔宀〕の中でお祭りすること、
際は祖先の霊が降臨するのをお迎えすること、
を意味します。
ちなみに「阝」は神様が天地の間を陟〔のぼ〕り降〔お〕りするタラップ・梯子です。

◇蛇をあらわす「巳」については
『説文解字』14下には
「四月陽気已〔すで〕に出でて、陰気已に臧〔おさ〕まる。
萬物見〔あら〕れて文章を成す。故に巳を蛇と爲す。象形。」
となっています。
「みいさん」の蛇である「巳」とスデニの「已」とを混同している、
白川静氏は説明しています。

もし已=巳としても、「故に巳を蛇と爲す」とするのは
論理の飛躍があると思われます。

これはこういう意味です。
この巳はネ、ウシ、トラ、ウ、タツ、ミ、ウマ・・・
つまり十二支の巳です。
五行で見ると巳と午は夏をつかさどる火です。
巳の月である旧暦の四月に陽気が已に出でて、
陰気が臧するということです。
だから巳は十二支の「み」の蛇なのです。
*子の月が地雷復の一陽来復の冬至、
 寅の月が地天泰が立春の月
 そして巳の月は乾爲天の六爻全部が陽の卦
 つまり陰氣を蔵まる月。

■上の図は藤堂明保氏の『漢字の起源』から借用したものです。
藤堂氏は、次のように説明しています:

祭の甲骨文字の字体には、祭の上から二番目の字のように、
酒か水をいたたさせて清める様を示す点々が着いています。

サイ〔祭〕というコトバは、
摩擦の「擦〔サツ〕」や視察の「察〔サツ〕」の語尾【t】が弱まった形である。
ゴシゴシこすってよごれを除くことを擦といい、

目の曇りや対象のごまかしをとり除いて
清らかに真相を見きわめることを察という。

Aの面とBの面とがゴシゴシと擦れ合う境目を際〔きわ〕という。

祭-擦-察-際は同系のコトバで、
いずれも「よごれをとり除いて、清らかにする」
という意味を含んでいます。

祭りとは本来、よごれを去って、
清らかに神仕えをする「清め」の行為であったと考えてよい。
心身を清め、お供物を清めて、さわやかに
神々と哀楽を共にすることであった。

参考文献 白川静著『字統』、藤堂明保著『漢字の起源』

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