◆5月26日 72候の『紅花栄う』 ・・・ベニバナ くれない 呉藍

◆5月26日 72候の『紅花栄う』
おはようございます!
今日は72候の23番目『紅花栄う[べにばな・さかう]』です。

暦のうえでは紅花が咲く頃ということですが、紅花の栽培地である山形県には『半夏〔半夏生のこと〕の一つ咲き』という言葉があるようです。半夏生【はんげしょう】は夏至の末候で、ことしは7月2日に当りますから、『紅花栄う』には少し早いでは、と思いもあります。

「べにばな」は紅染めの原料になる花の名です。
 また『すゑつむはな【末摘む花】』ともいいます。花の末を摘みとり染料とするところから付いた名前のようです。

「くれなゐ」は『呉藍くれあい』で「くれ・呉の国の藍〔あゐ〕」という意味で、 日本には飛鳥時代以前の早い時期にもたらされたということです。

◆きょうは『紅花栄う』にちなんで万葉集から「くれなゐ」の歌を:


「外のみに見つつか恋ひむ紅〔くれないゐ〕の
     末採〔すえつ〕む花の色に出〔い〕でずとも」   万葉集1993


「紅〔くれなひ〕の濃染〔こぞ〕めの衣〔ころも〕色深く
     染〔し〕みにしかば忘れかねつる」       万葉集2624


「竹敷〔たけしき〕の上〔うへ〕かた山は久禮奈爲〔くれなゐ=紅〕の
     八入〔やしほ※〕の色になりにけるかも」     万葉集3703

 【※】八入=やしほ
  八入〔やしほ=やしお〕とは、布を八回【=何回も】も染め壷に入れるという意味。つまり布を何度も染め汁に浸して濃く染めること。また、その染めた布のこと。


「雄神川〔をかみがは〕久禮奈爲〔くれなゐ=紅〕にほふ をとめらし
     葦附〔あしづき〕取ると湍〔せ〕に立たすらし」   万葉集4021



◆『説文解字』13上には:

紅とは「帛[はく]の赤白色なるものなり」

とあり、白味がかった赤つまり桃紅・ピンク色ということになります。
帛というのは、「綿」のつくりになっているように布帛・布のことです。
 
 紅[コウ・くれない]の字は古くは絳[コウ]を用いたようですが、この「絳」は「大赤【※】」の色つまり「濃紅色」・深紅をあらわすもののようです。

【蛇足※】
 大赤とは『易経』説卦伝にある「大赤」です。
「乾☰を天と爲し、圓と爲し、君と爲し、父と爲し、玉と爲し、金と爲し、寒と爲し、冰と爲し、大赤と爲し、・・・木果と爲す」
の「大赤」のことです。

 『万葉集』に詠われている「くれなゐの濃染め」とか「くれなゐのやしほの色」などの「くれなゐ」は燃える恋心をあらわす深紅のようです。

 「外のみに見つつか恋ひむ・・・」は萌えはじめの淡いピンク色かも知れませんが・・・。

◆そうそう『源氏物語』にも「末摘む花」というのがありましたね。
 光源氏のこんな歌がありました:
 なつかしき 色ともなしに 何にこの
  すゑつむ花を 袖に触れけむ

 この末摘花は、易の卦であらわすと、火山旅【※】であったようです。☶艮山に☲の紅花咲くというので「懐かしい色ではないのに、なんで袖を触れたのか」ナンテ自己嫌悪に陥っているのでしょうか(笑)


【蛇足】
【※】火山旅の卦は、



火山旅

火山旅の卦象は、☶艮の山のうえに☲離の紅花が咲いている。この卦を末摘花の顔に見立てたのです。

 以前、花・いや鼻の赤いひとは、お金に困っているという相法をブログでかいたことがありますが、艮を顔にあてると鼻になります。光源氏は、末摘む花の鼻を「花」と婉曲的に表現したということです。

『易経』雑卦伝には「親寡きは旅なり」とあるように「あまり親しみを感じなかった」のでしょう、朝めざめるとナンテ(笑)

【蛇足おわり】

 当地には、あいにく紅の花がないので、きのう図書館帰りに見つけたアマリリスの花の大赤で代用いたします^L^

画像

・・・以上、2015年のブログに少し手を入れました・・・

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